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ねぇもう嫌・・・

第22章 時に神を憎むほどの出来事が襲っても…



「…ひ、ひ…」




『ひ?』




言葉が喉で突っかかって、上手く言えない。




涙が幾粒(イクツブ)も零れ落ちた。




柊先生が身体全体に掛けてくれた大きなバスタオル。




その肩からはみ出た部分で、そっと目と鼻を拭った。




「っひ、柊先生ぇ以外っ…だめ…っ。」




声が震え、本当に言えたのか不安になる。




でも、もう唇が震えて、言い直す程の勇気も出なかった。














『…ありがとう。』









柊先生はそれだけ優しく言った。




…私の気持ち、届いてない?




私も柊先生と同じ気持ちってこと、




伝わってないのっ?




もっと想いを外に出したい。




何時(イツ)からか、柊先生のこと…




ずっと…




わ、私だって…っ




いくら言葉を必死に探しても、




鼻をすする度に、声に出すタイミングを失っていった。




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