
ねぇもう嫌・・・
第22章 時に神を憎むほどの出来事が襲っても…
『…返事は聞かないよ。
…ただ、
これからも俺は君を大事にしたい、
医者として、君の主治医として。
ね、身体を預けるって、
簡単じゃない事くらい分かってるよ。
でも、俺に預けてくれれば、君の不安を少しでも取り除ける気がしたんだよ。
…俺、前から言ってるでしょ?
何でも話せって。
君の口、固くて滅多に開かないから全くわからなくって。
難病の子が居るって聞いてから、
俺の中で変な血が騒いでさ。
近づきたくなった。
だから、
君の学校の校医になったり、
片桐から無理矢理奪って君の主治医になったり、
君の検査に何度も立ち会ったり、
入院させたり。
医者と患者の間、いや、俺と君の間で
立派な信頼関係を築きたかったんだけど、
ようやく最近、それが君に不快感を与えてるだけだって気づいたんだ。
…すまん。
もう、君の主治医から離れようか。』
私の目の前で、柊先生が俯いた。
束になって緩くパーマがかってるその髪。
…なんでこんなに惚れてしまうんだろう。
「嫌だ…。」
私が声を上げると、柊先生がむくっと頭をあげた。
慌てて目を逸らす。
『え…?』
手首にはめていたブレスレットを整えると、柊先生が声のボリュームを落として訊いてきた。
