
ねぇもう嫌・・・
第21章 検査④
入院病棟はとりわけ日当たりが良く、廊下は日光に当たって暖かかった。
「あっ…」
あのまま病室に居たら、柊先生が指示をして、あの胸の痛みを検査しに医師が訪れてしまうかもしれない。
結局見つかるんだとしても、少しでも引き伸ばしたい。
昨日と同じ場所に居たのは、やっぱり暁くんだった。
『ん、おはよ。』
「おはようっ…」
こうやって顔を合わせるとやっぱりドキドキする。
「いつから来てたの?」
『時間見てない。』
「そうなんだ…」
呆気ない回答に言葉が浮かんでこない…。
でも暁くんは、何も喋らなくても気まずそうにしてなくて。
むしろそっちの方が楽だ というように、一切口を開かなくなった。
