
ねぇもう嫌・・・
第13章 治療
ガラガラ…
扉を開けると、丁度柊先生が女子生徒から体温計を受け取っていた。
「お大事に。」
「失礼しました。」
女子生徒とすれ違うように入室した私は、早速柊先生と目が合ってしまった。
柊先生は丸椅子に座っていた。
数ヶ月前までこの人に怯えてた。
この人に…
その足、その背広、その手…
思い出されるあの時の感情が、少しずつ今の私を覆い包んでゆく。
幸いか、生徒は誰もおらず、保健の先生もいなかった。
『やっぱり痛かったんだね。』
柊先生が嘲笑った。
頑張って認めて、ちゃんと受け止めてきたのに、そんな顔するなら来なきゃよかった…
むしゃくしゃするのに、泣きそうになるのはなんでだろう……っ
動悸が激しくなる。
柊先生はベッドに私を座らせ、カーテンを閉めた。
『靴脱いで寝て。』
柊先生は完全に校医から主治医に変わった
