
ねぇもう嫌・・・
第13章 治療
「…ッ!?まってッ」
私の手を掴み、廊下を小走りで走り抜ける。
礼拝堂前の廊下に連れて行かれた。
礼拝堂前の廊下は朝と放課後以外通る人が少ない。
今は消灯されており、薄暗い。
「…何…?」
あの時抱いた安心感はまだほのかに残っていて、私もまた"この痛み"はすごく怖かったから
こうやって強引に引っ張られて、嫌な気持ちはあまりしなかった。
『俺は医者だよ。ましてや君のことなんて。』
柊先生はそう言うとブレザーのボタンを外し、ブラウスの上から軽くお腹を押した。
「ッ…」
思わず後退りをした。
『バレないとでも思ってた?』
「っ…」
涙が滲む。
白衣から、廊下のずっと向こうへと視線を外した。
「ッ…」
尚も続く柊先生の触診に、痛みで反射的に目が閉じ、握っていた拳の力が強くなっていった。
