テキストサイズ

今日も明日も 2nd season

第1章 見えない鎖 Ⅸ



“俺……“ と言ってから、次の言葉が出てこない

きっとまだ、言って良いのか迷っている


急かす事はしないで、かずくんが自分の意思を言えるように待つしかない

答えを聞くのは怖い

だけど、かずくんのこの様子を見ていたら
期待していいんじゃないかと、思える俺がいる


「まーくん……」

「言って」


「…一緒に、いたい。まーくんと一緒が…」

「良かった」

真っ赤になって、しかも涙目で

大丈夫だろうと思ってはいたけど、かずくんの口から実際に聞けた事で

…俺まで鼻の奥がツンとした


「かずくんは、何も心配しなくていい

…言った通り、先輩が動いてくれてるし、俺がかずくんを守る」


閉じ込めてしまいたい気持ちは未だにあるけど
自分のものにしたい気持ちはあるけど

お兄さんとは違って

かずくんを “痛めつける事“ だけは絶対にしない

…それだけは、誓える


「まーくん……」
「ん?」

「ごめんなさい」


……今度は何を謝るの?

ストーリーメニュー

TOPTOPへ