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今日も明日も 2nd season

第7章 離せない、離さない


それが引き金になって、指と指を絡め合う

何も言葉には出さずに静かに立ち上がった相葉さんに、俺も指を離したくなくて従うように立った




そして今、一緒に階段を上がっている

その先のドアの向こうには、目的なんか1つしかない

分かってるのに
それを望んでるのに


やっぱり恥ずかしい気持ちは隠す事が出来なくて



「にの……」

「うん、」

ドアの前で、相葉さんが振り返った

これを開けたらもう引き返せないと、その目が訴えている


「…入ろ」

絡めた指にきゅっと力を込めて、赤くなった顔を見られたくなくて少しだけ俯いた


空いた方の手が、俺の身体を引き寄せる

耳が自然に相葉さんの胸に預けられ、小さく息を吐いた

「すごい、ね…」

「うん。ヤバいくらいドキドキしてる」

相葉さんの心臓も、俺に負けないくらい早い鼓動を刻んでいる


嬉しい
相葉さんの気持ちは、嘘なんかじゃない

だって、相葉さんの目がそれを証明している

長年一緒にいたからこそ、嘘かどうかなんて分かるようになった


「ふふ、一緒だね」
「そうだよ、一緒」

中に足を踏み入れて、ドアを閉めた瞬間

俺は息が出来なくなった

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