
今日も明日も 2nd season
第48章 見えない鎖 part ⅩⅥ
「や…っ!」
かずくんが震えながらも抵抗している
痺れた自分の身体は起こしたくても上手く力が入らない
「なん、だよ…、これ…っ」
「ああ、これね、スタンガン。結構強烈だから10分は痺れが取れないと思うけど?」
ー…2回打ったし
嫌な笑みを浮かべるその顔を睨むしか出来ない歯痒さに苛立ちを覚えるけど、立ち上がる事も出来ない自分がもどかしくなる
「あ…っ」
必死に抱いていたにゃん太が腕から飛び降りた
ネコはネコなりに、身を守ろうと奥に走って行ってしまった
かずくんからしたら、にゃん太に見放されたと思ったのだろう
その目からは、絶望の涙が溢れ出している
違う
にゃん太は見放したんじゃない
少しでも冷静になれば、ネコなりの心配そうな顔がこちらを見つめているのが分かる
それを伝えたくても、身体と同じく痺れた舌が上手く回らない
「…和也、早くしろ」
「やだ…、行かない…っ」
怯えながらも何とか抵抗しようとするかずくんの力なんて敵う筈もなくて
まるで見せつけるように俺の横を二人が通りすぎ、無情なまでにドアが乱暴に閉められてしまった
