
今日も明日も 2nd season
第1章 見えない鎖 Ⅸ
かずくんは、まだ震えてはいるけど、おとなしく抱かれている
「ごめん、怖かったよね」
宥めるように頭を撫でても、かずくんは頷く事も首を横に振る事もしない
ただ、浅く息を吐きながら小さく震えている
ああもう
本当ダメじゃん、俺
これなら、最初に俺が休むと決まった時にきちんと話しておくべきだった
かずくんの、俺が傍にいる事への嬉しそうな表情に後回しにしたのがいけなかった
「…かずくん、大事な話…するね」
「……」
「もう一度、座ってくれる?」
かずくんが、こくりと頷いてみせた
「…怒って、ないですか」
顔を上げて、涙目で見上げる
「怒った訳じゃないんだ…、ごめん」
身体を離して、椅子に促すけど
かずくんは俺の手を…人差し指を握って離そうとしない
だから、かずくんを椅子に座らせて
俺は指をかずくんに預けたまま、床に腰を降ろした
「落ち着いて、聞いてね」
不安気に揺れるかずくんの瞳が、俺のそれに合わせられた
