
今日も明日も 2nd season
第6章 1周回って好きになった
にのに背中を向け、怒りに任せて歩き出す
ムカつくムカつくムカつく!
泣いたとこ、写メでも撮ってやれば良かった
…何て思いながらも数メートル離れた所で
ほっとけばいいのに後ろが気になって、ちらりと振り返ってみれば
「……何でだよ」
また、泣きそうな顔でこっちを見てるにのがいて
まるで棄てられた犬みたいに寂しそうに見えて
そしてそれを見た俺が、ほっとけるかと言えば
「…出来ねぇよなぁ」
大きな溜め息をひとつ
ポリポリと頭を掻きながら、再びにのに近付いて
「ほら、帰るぞ」
半ば強引ににのの手を握って引っ張った
「………」
今度はにのは振り払う事なく、俺に手を握らせたまま素直に付いてくる
ホント意味分かんない
こいつの考えてる事も
俺のやってる事も
「家、どこ?」
「…2丁目の、マンション」
「分かった。送ってやるから」
「……」
何も答えないのを “了解“ とみなした俺は、手を繋いだままそのマンションに向かった
何かもう、分からないついでだ
