
今日も明日も 2nd season
第45章 淡い気持ち 🍀 青×黄
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にのに連れて来られたのは、ずっと前に一緒に入った居酒屋だった
座敷が1つ1つ半個室になっていて、その居心地の良い空間に2人で喜んだっけか
「ビールでいい?」
「んにゃ、刺身食べたいから日本酒」
好き嫌いの多いにのにオーダーを任せるのも前と同じ
「あそ」
特に何を言うでもなく、にのがサクサクとオーダーしていくのをボケッと眺めてるのも、変わらない
「さて、聞かせて貰いましょうかね」
一通り頼んでから、にのが俺に視線を向けた
「え、…何を?」
「とぼけんじゃないの」
「うぇ」
いきなり鼻をムギュっと捻られた
「アナタが俺を避けてる理由」
刺々しい言葉とは裏腹にどこか寂しげな表情に、胸がズキンとする
避けてた訳じゃない
どうして良いか分からなかっただけだ
「俺…避けてた?」
「白々しい。あからさまにね、しっかりばっちり避けてますが?」
にののそんな顔は見たくない
悲しませるつもりなんて、1ミリだって持ってないのに
