
今日も明日も 2nd season
第6章 1周回って好きになった
慌ててにのの前にしゃがみこむ
「にの、おい!」
「怖かっ……」
はらはらと泣き出したにの
まさかの状態に俺も動揺した
だってにのが泣く?
あれだけ強気に出ておいて?
…確かに目は怯えてたけど、そこまでではないと思ってた
「ちょ…、にの落ち着けって」
地面に両手を付いて、小さく震えるにのの肩に手を乗せて
その肩の細さに驚いた
…何こいつ
細いとは思ってたけどこんなに華奢なの?
何だかにののイメージが一気に変わった
実は学校でも、強がってるだけなんじゃないかって気がして仕方ない
その線の細さを隠す為に
“可愛い“ と言われるのを抑える為に
無理してるんじゃないかなんて思ってしまう
「にの、立てる?」
ポンポンと軽く肩を叩いたら
「…触るな!」
いきなり手を振り払われるとか
そんでもって、スクッと立ち上がって
…何故そこで俺を睨む?
“怖かった“ って泣いたのは何だったんだ
見間違い?
いやでも、にのの目はしっかりと赤い
泣いた後の目に間違いない
