無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

さすがに手を繋ぐとかは出来ないけど、映画館のある大きなショッピングモールをぞんぶんに楽しんだ

色んなお店を見て回り、荷物にならない程度に買い物も出来た

ただ、バレたらどうしようと言う不安はずっと
付いて回ったけど

あまりに堂々としてる相葉さんに、変装してる自分がバカみたいにすら思えた


一通りモールを散策して、疲れたのと空腹を訴えてまだ空いているフードコートに向かう

目立たない、奥の席を確保して漸く少し、肩の力が抜けた


「にの、何食べたい？」

「ビール」

「それは後で。で、何？」

…あっさり却下された

甘やかして「分かった」って言うと思ったのに

「だからビール」

だけど負けじと俺も繰り返す

「ダメ。飲んだら気が抜けてバレる」


なんだ

相葉さんも気は遣ってたんだ

あまりに普通にしてるから図太いんだと思ってた


「んじゃコーヒーと後は任せる」

「了解」


荷物を置いて、財布だけを持った相葉さんが並んでる店をひやかし始めたのを何となく見つめる

何か俺ってば、完全にエスコートされる側だ

まるで “彼女“ 的なポジションでいいんだろうか


相葉さんといたらそれに慣れたけど、男としてはどうなの？と思わなくもない