無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

だけど不思議と、堂々としているにも関わらず周りの人は気付いてないっぽい

思ってるより顔を知られていない…？

なんて思ったりもしたけど


今までの経験からして、それはないかと考え直した



名前を呼べば一発でバレるから、無言でスマホを弄る相葉さんに近付いていく

もう少し、と言うところでタイミング良く相葉さんが顔を上げた

“にの“

声には出さず、口パクで俺を呼ぶその顔はやたらと嬉しそうで

視線が帽子に向けられてその意味を悟った


今被ってるのは、相葉さんから貰った…と言うか奪った奴だからだ

相葉さんが被ってるのを見て凄く気に入って、何度か “それいいなぁ“ って勝手に借りて被ってたら、気付いたら自分のモノになってた


「それ、ホント気に入ってるんだね」

「うん。最高」

素直にそう答えれば、相葉さんが “なら良かった“ と微笑んで

「似合うよ」

なんて付け足すもんだから、公共の場だと言うのも重なり

思わず少しだけ照れてしまった



「行こっか。今日は俺に任せて貰っていい？」

「疲れるのはやだ」

「はは。分かってるって」



さりげなく背中に軽く手を回され、初のお忍びデート？がこうして始まった