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今日も明日も 2nd season

第42章 君だけに


「…で?今日はどうしたのよ」

缶を傾けながら、にのがちらりと視線を寄越す

「ああ、あのさ……」

隠す必要もないから、苛ついた出来事を愚痴るのを
にのは何も口を挟まずにいつも最後まで聞いてくれる



そして

「お疲れさま。頑張ったね」

すっと手を伸ばして、俺の頭をぐしゃぐしゃにするんだ

この時だけは、おとなしくにのに身を任せる


余計な事は何も言わない

黙って俺の愚痴を聞いて、最後はこうして締め括るのが決まりみたいになってた


これだけなのに

イラついてた感情が消えて無くなるんだから不思議だ

多分他のメンバーでは、多少は薄れたとしても完全には消えないと思う


それはきっと

にのが、ホントに自然だから

何かあったら傍にいるってのが、当たり前だから

どんな俺も、それが俺だと分かってるから


にのの前では、強がる必要も

良い人を演じる必要もない


全てを晒け出す事の出来る存在だから



「はぁ、スッキリした。さ、飲も!」

「え、俺もう止める」

「何でだよ!」

クスクス目を細めてにのが笑う

「だってもう眠い」

……マイペースなのは少し困るけど

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