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今日も明日も 2nd season

第42章 君だけに


いつからか、俺の気分が落ちてる時に限ってうちに来るようになっていた

偶然かとも思ってたけど、どうやらこいつにはそれがお見通しらしい

別々の仕事の時でも、合間に交わすメールで気付くとも言ってたけど

…俺には、その違いに対して自分で打っておきながらも分からない



「ほら、まだ飲むでしょ。付き合ってあげる」

ビニール袋をぶら下げたにのが、笑いながら中に入ってきた

「飲まないって言ったら?」

「付き合ってもらうまでだけど?」


うちに来た時点で、俺の意見はなくなったも同じ

ずかずかとリビングに向かうにのの後ろを追うのも、毎回一緒


リビングのテーブルに袋の中身を広げて「座って」と俺を促す

対面に腰を下ろせば、すかさず缶のプルトップを開けて俺に差し出したにのには


「サンキュ」

…もう、これしか言う言葉がなくて

.

だってにのが来たのは、そう言う意味だから

いくら隠してもごまかしても、通用しないから


「お前、仕事は?」

「大丈夫」

俺が何を言っても、こうして来た時は絶対に “大丈夫“ としか言わない

分かってるけど、やっぱり仕事が仕事なだけに毎回聞いてしまうのは仕方ないと思う

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