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そのバイトの帰り道だった


「あれ…？」
同じ学校の制服の奴が、誰かに絡まれてる

制服っぽいから絡んでるのも高校生か

何か腕掴まれてる？
殴られてはないけど、この雰囲気ではそうなりそうな


…嫌なもん見ちゃったなぁ
助けるとか、俺には向いてないし

可哀想だけどここは見なかったフリをして引き返そう

なんて人でなしな事を思い付いて、くるりと踵を返したその時

「助けろバカ！！」

聞き覚えのある声につい、振り返ってしまった


「あ…」

声の主は、朝から嫌な気持ちにさせてくれたあいつ

…にの、だった


声を掛けられ、振り返った手前無視もできず
溜め息を付きながらゆっくりと近付く

「何お前、こいつの知り合い？」
絡んでる1人が俺に視線を向けた

「知り合い、ではないかな」

「なら帰れよ」

「うん、俺もそうしたい」

巻き込まれるのごめんだし

でも、呼ばれて振り返っちゃったらそうも行かないでしょ


「…にの、何やらかしたの」

掴まれた腕を必死に振りほどこうと暴れるにのに、仕方なく聞く事にした