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今日も明日も 2nd season

第36章 H B M *黄×緑×ちょっとだけ黄*


調子に乗って、握った手を自分の背中に回してギュッと抱き締めてみる

「…あったかい?」

「あったかい…」

怒る事もなく、されるがままのにの

夢みたいな時間だ

…思わず俺も溜め息をついた時

「雅紀…?」
ふいに囁かれる名前

"なに?" と言おうとしたけど、それは出来なかった

「…っ!」
「早く…中入れて?」

ゾクゾクするような低い声で耳許で囁かれ
そこを甘噛みされてしまったから




スルッとにのが俺から離れる

「ほら、早くしろよ」

ぶっきらぼうな、いつものにのに戻っていた

「う…うん」

やっぱりにのには振り回される


だけど
俺、気付いちゃった

にののほっぺ、寒さだけの赤さじゃないよね


「早くしろってば」
「分かったよ」

当たり前のように、ビニール袋を手に取って
先に階段を上がる俺の顔は弛みっぱなし



「にの、ごめん鍵取って」
両手が塞がって、鍵が取れない

「どこにあんの?」

「後ろのポケッ…いや、やっぱいい!自分で取る」

嫌な予感がして、慌てて止めようとしたけど

「取ってやるよ」

にのが、ニヤリと笑って、ポケットに手を突っ込んだ

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