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今日も明日も 2nd season

第34章 愛しい人 *赤+紫×青*



智くんは布団に包まって、その上からも分かるくらいにガタガタと震えている


「お前…何したんだよ」

後ろで茫然としている潤を振り返り、強く睨み付けた

こんなに怯えるような事、智くんには滅多に見られない

…と、言うより初めて見た


「…抱いた、だけだって」

「本当に?」
ー…それで、ここまでおかしくなるか?

「ちょっと、仕込んだけど」


「…マジか」

やっぱ何かしてんじゃねぇか、コイツ



「ちょっとお前、向こう行ってろ」

俺の家じゃないけど

智くんは俺にはまだ心を許してる

だからと言って、潤の事をこのままにしておくわけにも行かないから

まずは俺1人で、智くんをなんとか落ち着かせなきゃいけない

…そんな変な使命感を持ってしまった



「分かった…翔くん、ごめん」

「謝るなら、智くんにだろ」

「…そう、だよね」

すっかり元気を無くした潤が、項垂れたまま部屋を出る

ドアが閉まって、訪れた2人だけの空間に


…俺の胸が、暗く染まっていく気がした

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