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今日も明日も 2nd season

第34章 愛しい人 *赤+紫×青*



「智くん…起きて」

軽く肩を揺すって、覚醒を促す

「ん~…」

煩そうに眉をしかめて寝返りを打ったと思ったら

はだけていた布団を引っ張り上げて潜り込んでしまった


「こら、起きろ!」

「なぁんだよぉ…、…ん?」

布団から、目だけを出した智くんが何度か瞬きを繰り返し

…ようやく目が覚めたのか、周りをキョロキョロ見回した

俺の姿を目に捉えたらしい智くんが

「あ…翔、ちゃん?


ねぇ、ここ…どこ?」

途端に不安そうにするから

「潤のマンションだよ」

すぐに教えたけど

智くんは首を捻りながら考えているようで


「潤…って?」

その言葉に
思わず後ろにいる潤を振り返った

見れば潤は
ショックだったのか、顔色が悪い

俺は潤の手を引っ張って、智くんの前に潤を突き出した

「こいつが潤、だよ。…分かる?」

きょとんとした智くんが潤をじっと見つめる

しばらく見つめた後、みるみるうちに青ざめた智くんがガタガタと震え始めた


「あ…あ…っ」
「智くん?」


「やだっ!来るな!ああああああ!!」

智くんが悲鳴のような大きな声で叫んで、ベッドに蹲った

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