
今日も明日も 2nd season
第34章 愛しい人 *赤+紫×青*
翔ちゃんは何を知ってる?
何の手掛かりもないのに、躊躇なく「行く」って
…普通なら分かる筈がないのに
それに
やけに翔ちゃんの声も低かった
あれは、機嫌が悪い時の声だ
いやそれよりも
一体ここは何処なんだ
知ってるはずなのに、思い出せない
そしてこの部屋の主も
俺は知ってる…はず
だけど今は、翔ちゃんが来るまで俺は何も出来なくて
それに体が怠くて、お腹も空かない
何もないから横になってよう…
なんて考えて
再びゆっくりと体を横たえたら
ー…ホント、寝るの好きだよね
また、声が聞こえてきた
“当たり前だろ。俺は眠る為に生きてるんだ“
…なんて、アホな事返したのも、頭に浮かんだ
だけど肝心の、声の主は見えてこない
ただ分かるのは
それがこの主と、同じだと言う事
そして
この体の痛み、怠さの原因も
そいつなんだと言う事も、薄々と分かってきた
早く来てよ、翔ちゃん…
ただ横になるつもりが、余程疲れていたのか
俺はあっという間に意識を手放していた
