無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

何度も見た、猫背でゲームをする後ろ姿

何とも思わなかった光景が、こんなに嬉しくなるなんてね

本当俺って単純だと思う



あらかたの下ごしらえが終わったから

「俺も風呂入ってくるね」

ゲームに夢中で何も答えないにのに言うだけ言って

自分も汗を流しにバスルームに向かった



「にの…？」

出てみたら、ゲームを持ったままゆらゆら揺れているにの

そっと近付いて見たら

……寝てるし

座ったまま、ゲームは離さずに器用に寝こけてるにのが可愛くて

夕食を作り終わるまでそのままにしておく事にした


漸く完成したところで

「にの、ご飯できたよ」

肩を揺すると、慌てたようにパッと目を覚ます


「あれ、寝てた？」

「器用に寝るよね」
“ご飯食べよ“ と、にのの腕を取って立たせてやると

にのは嬉しそうに立ち上がった




「で、今日は帰らないの？」

食べながら、何となく聞いてみる

だって風呂入って、部屋着で完全リラックスモード

明日は夕方からとは言え、撮影があるから帰らない訳にはいかないんじゃない？