
今日も明日も 2nd season
第30章 オトナ時間
こいつ、端からそのつもりだったんだ
だって今
当たり前に俺の車の助手席に乗り込もうとしてる
「お前、車は?」
ここでの仕事はいつも車なのに、乗って来ない事がまずおかしいだろ
「んー?今日はマネージャーに来て貰った」
“たまたまだよ“ なんて言ってるけど
…絶対嘘だろ
ならなんで、そんなにニヤニヤしてるんだよ
「言っとくけど、うち何もないからね」
溜め息を吐きつつエンジンを掛ける
車のあらゆるランプが点灯するのを見ながら、相葉さんを軽く睨んだ
「途中で色々買ってくから、スーパー寄って貰える?
…ちゃんとにののも買ってあげるからさ」
俺はお前の運転手じゃないんですけど?
そうは思うものの、"ない" どころか冷蔵庫に何も入ってないことを思いだして
「…いっぱい買ってもらうからね」
敢えて、渋々感を出して了承するフリをした
「大丈夫、好きなの買いなよ」
そう言ってクスクス笑う相葉さん
…やっぱり何かおかしい
ついでに、やたら大事そうに持っている黒い袋が気になって仕方ないか
何だろう、あれ
