
今日も明日も 2nd season
第27章 赤色クレヨン *赤×紫*
酔っているから制御も効かない潤は
小さな子供のように、えぐえぐ泣いている
俺はと言うと、どうして良いか分からずに
ただ、袖が濡れていくのを黙って見ているしかなくて
でも、泣いている理由は間違いなく俺だと言うのも理解はしてて
…だけど言えるわけないだろ
潤の事が好きになってしまったから、意識して避けてましたなんて
兄みたいな存在でいた俺が、お前に恋愛感情持ってますなんて
今だって
肩を震わせるお前を抱き締めたくて仕方ないんだよ
好きなんだって言ってしまいたいんだよ
「泣くなよ…潤」
俺にはこれを言うだけで精一杯だったけど
空いている手で、頭を撫でるくらいは出来た
普段の「俺様」な潤はここにはいない
酒のせいとは言え、純粋な潤に
俺の心臓はバクバクして痛いくらいだった
「翔くん…」
袖から顔を上げた潤が、俺を見つめる
真っ直ぐに向けられる瞳に、吸い込まれそうになった
「俺、翔くんが好き」
