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今日も明日も 2nd season

第27章 赤色クレヨン *赤×紫*


とは言っても

追い返す訳にはいかないし、ここに来た意味も知りたいしで



…今、潤は目の前の椅子に対峙して座っている



「ごめんねー遅くにぃ…」

ニコニコと小首を傾げて笑う潤は、明らかに酔っぱらっていた

酒の匂いが強い

自分が飲んでない時は余計にそれを感じるけど

今の潤は、かなり飲んでるのが分かる


「…どうしたんだよ」

俺は氷を入れた冷たいお茶を差し出した

潤がそれを一気に煽る

「酒じゃない…」

あからさまに唇を尖らせた

「当たり前だろ、この酔っぱらい」

「酔ってないもん」

「充分酔ってるだろ」


子供みたいな拗ねた口ぶりに、思わず声を出して笑ってしまった


「あー…笑ってくれたぁ」

「え、?」

潤からの思いがけない台詞


「やっと、俺を見て笑ってくれたぁ…」

大きな目が、みるみるうちに潤み出した


「え、ちょっ…潤?!」

突然泣き出した潤に、慌てて立ち上がる

テーブルを越えて隣に座り
自分の服の袖でその涙を拭ってやると

堰を切ったように涙が溢れ出した

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