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今日も明日も 2nd season

第25章 好きだよ、バーカ


さすがにエレベーターの中では降ろしてくれたけど、無言でここまで連れ戻された事に憤りを覚えた

降ろされたと言っても肩を痛いくらい引き寄せられていて身動きも出来ないのも、それを増長させる


「なんなんだよ!」

相葉さんの顔を見上げ、噛み付く勢いで睨み付けた

だけど相葉さんはやっぱり無言で、ちらりと俺を見ただけで何も言わない


普段良く喋る奴が喋らないのって、何か妙な威圧感があるんだけど



目指す階に着いて扉が開いても、相葉さんは肩を抱く手に力が入るだけで相変わらず無言のまま

無意識に足が竦むのもおかまないなしに、引き摺るように俺を無理矢理歩かせる


さすがにここまでされれば、相葉さんがおかしいのは嫌でも分かった


確か今日は午前中だけの仕事だった筈

その時に何かあった?


「ちょっと、ねぇ、相葉さんてば…」

ともすれば転びそうになるのを堪えて相葉さんに話し掛けるけど



やっぱり相葉さんは無言を貫いて

俺を自分の部屋まで引き摺って行った

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