
今日も明日も 2nd season
第25章 好きだよ、バーカ
エントランスに入って、半ばやけくそに押し慣れた部屋番号を押す
「……誰」
普段の相葉さんからは想像付かない低い声
まぁ、防犯対策もあっていつもこんな感じではあるけれど、それにも増して低いのは気のせいだろうか
「俺。開けてくんない?」
「俺、なんて人は知りませんが」
うわー…
何だこれ
わざとなのか本気なのか掴めないぞ
「あっそ、ならいいや」
でも俺も、食い下がる気は更々ない
中に入らずに済むなら、それに越した事はないし
翔さんには適当に言っときゃいいだろ
拒否したの、俺じゃないもん
…さっさと帰ってゲームやろうっと
あっさり見限ってインターホンから離れ、タクシーを呼ぼうかと外に向かった
そしてタクシー会社の電話番号を検索してる最中
「うぇっ!?」
後ろからいきなり抱き締められ、まるで拉致されるが如く肩に軽々と担がれ
何が何だか分からないうちに再び中に連れ戻された俺は
そのままエレベーターに押し込められてしまった
