
今日も明日も 2nd season
第24章 台風注意報
よろけた彼女を、転ばないように支えたのは当然の事だと思う
そして、それに対して彼女が “ありがとう“ と笑うのも決しておかしな事じゃない
そもそもこの後輩にはちゃんと彼氏がいるし、ましてや俺にはかずがいる
だからこの行動に何の下心もなかったし
かずが改札口の先でこれを見ているのを知っていても、取り繕う必要もないだろうと思っていた
だけどそれがいけなかったらしい
車の中でもかずは無言で
俺も酔いが回って眠くなってたし、何より運転の邪魔をしちゃいけないと敢えて何も話そうとしなかったのが
より大きな誤解を生んでたようだ
アパートに着いてからも、疲れと眠さに負けて
碌に話もしないでさっさとシャワーを浴びて寝てしまった
多分かずに対しての甘えもあったんだ
かずなら分かってくれる
言わなくても俺を信じてくれると勝手に思い込んでた
朝起きた時、いつもなら隣で眠ってる筈のかずがいなかった事も “今日は早起きしたんだ“ なんて呑気に構えてて
実は隣はおろか、ベッドにすら入って来なかった事にも気付いてなかった
