
今日も明日も 2nd season
第24章 台風注意報
大きな欠伸をしながら、かずがいるであろうリビングに向かう
今日は土曜日だしかずも大学は休みだったはず
たまには二人で映画なんてのもいいなぁ…なんて考えながら
「かずー?おはよう」
能天気に床に座っているかずの背中に話し掛けて
返事がないのを不思議に思って近付いた途端のあのクッションの衝撃だった
「まーくん、変わった」
今にも零れ落ちそうな位に涙を溜めたかずがポツリと呟いた
その顔にドキッとする
こんな顔は見たくなかったし、させるつもりもなかったのに
かずを守る気持ちも、大切な気持ちにも何も変わりはないのに
「…もう、俺はいらない?」
「そんな訳ないだろ!」
思わず声を荒げ、びくりと身体を震わせたかずにハッとした
「だって…っ、何も言ってくれないじゃないか!」
負けじとかずも声を張り上げ、それが引き金になったのか溜まっていた涙がポロポロと頬を伝う
「…俺、先生のとこ行く」
「え…っ」
「暫く、まーくんの顔は見たくない!」
かずから拒絶の言葉を聞くのは初めてだ
それに軽くショックを受け、動けなくなった俺を無視して
かずは怒った勢いのまま、部屋を飛び出して行った
