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今日も明日も 2nd season

第24章 台風注意報



「まーくんのバカ!!」

怒声と同時に顔面に何かがぶつけられた

それがクッションだと認識するまでおよそ3秒

幾ら柔らかいとは言え、思い切りぶつけられればそれなりに衝撃もある訳で

咄嗟に瞑った目を開けた時には、涙目で俺を睨み付けるかずの姿が目の前にあった

もうとっくに成人してるのに、涙もろいのは相変わらずだ


「だから誤解だって言ってるだろ?」
「そんなの信用出来ない!」


…事の発端は昨日の夜の事だ

会社の飲み会で遅くなった俺を心配したかずが、駅まで迎えに来てくれた時だった


暇だから迎えに行くよ、と免許を取ったかずが運転したさに申し出てくれたけど、夜中になるし危ないからいいと断ったんだ

そこに嘘はなく、本当にかずが心配だったから


だけどかずはそんな俺の言う事なんか聞かずに迎えに来た


…それだけなら、良かった

心配だけど、かずの成長した優しさに感激するだけで済むはずだった


なのに

一緒に飲んでいた後輩の女の子の1人がたまたま同じ駅で

分かっていながら別々に帰るのも気が引けて、一緒に電車に乗って

そして改札で、別れようとした時に

足を取られた彼女が俺にしがみついた

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