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今日も明日も 2nd season

第3章 Non.Title


相葉さんの指が目元の涙を優しく拭った

涙で濡れた指を唇に当てられ、誘われるようにそれを口に含む

少ししょっぱいのは、自分の涙の味



「俺の手、覚えてね」

「…っ」

口から指を引き抜き、再び付けられたアイマスクに肩が震えた

「ちょ…、何して…」


またも閉ざされる視界
だけど今度は相葉さんの息遣いを傍で感じている

「見えないと、触覚が鋭くなるっつーからさ」

見えなくても、相葉さんが笑うのが伝わった





「俺の手を……身体でしっかり覚えてよね」

耳許で低く囁かれ、一瞬にしてさっき高ぶり掛けた快楽が蘇った俺は
両手を伸ばして懸命に相葉さんを探した

その手を取って、首に回してくれた相葉さんは


「愛してるよ」

そう小さく呟いて、俺の唇に軽いキスを落とした



*********

見えない、と言うのがこんなに敏感になるものだと初めて知った

相葉さんの指が、次はどこに触れるのか分からないから

心臓が痛いくらいにドキドキしている

ただ鎖骨に触れただけで震えるとか、そんなの今まで1度もなかったのに

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