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今日も明日も 2nd season

第22章 見えない鎖 part ⅩⅣ


「…まあ、大方予想通りだな」

話し終えた感想が…これ

「…ですか?」
「お前なら言いそうだし」

残りのジュースを飲み干して、1つ大きな息を吐いた先輩が俺に視線を移した

「まずな、焦るな。あそこにはまだ当分いて構わない。…ってか、元のアパートを解約しろって言うつもりだった」

「え?」


“いつ戻れるか分からない場所の家賃、勿体ないな“ と大野さんが言ってたらしい

今、俺らが借りてる場所で良ければ、短くとも2年は平気だと伝えてくれ、とも


「だからさ、ゆっくり考えろ。俺も大野も、片棒担いじゃった責任、取ってやるよ」

心強い、と思った
頼もしい、と嬉しくなった

だけどそれと同時に、巻き込んでしまった罪悪感はなかなか拭えなくて

素直にありがとうと言えない自分が歯痒かった


先輩が俯いた俺の肩を軽く

「明日、大野と行くから。今日は帰ったらとにかく休め。弟くんには、明日話せばいい」

“ほら、片付け戻るぞ!“

俺の言いたい事を殆ど先読みした先輩にそう言われて

ここに来た時と同じように、先を歩き出した先輩をまた慌てて追った

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