
今日も明日も 2nd season
第22章 見えない鎖 part ⅩⅣ
私物を片付ける間の周りの視線が気になるけど、どうせ今日からは会う事もないし
空元気なのは承知で “お世話になりました!“ と周りに笑顔を向けて荷物を纏めていく
はっきり言って、仕事に未練はないけど
これで先輩との関係にも変化はあるだろう
それが正直辛い
だって先輩には、今回以外にも本当に良くしてもらったし
仕事を離れても色々相談にも乗ってくれた
でもそれは、俺が後輩だからであって “友達“ の枠ではないんだ
…そうなれば、いつまでもあそこを間借りする訳には行かないから何処か探さないといけないし、引っ越しとなるとアパートの荷物を取りに行かなければいけない
それに引っ越ししても、貯金もそこまでないから仕事も探さなきゃいけない
考えなければいけない事はたくさんある
だけどかずくんの前で悩む姿は見せられない
「先輩…ちょっといいですか?」
俺の隣で、片付けを手伝ってくれてる先輩に声を掛けた
「俺も、話したいから良かった。休憩所行くか」
まるで “待ってた“ とでも言う感じで先輩が立ち上がる
手を止めて、先を歩く先輩の後を慌てて追った
