
今日も明日も 2nd season
第20章 SS: すき
奪ったそれを、俺の返事なんて待つ事なく飲み始めたのは
まさに今、俺の頭を占めている
「にの」
…そいつで
「ごちそーさまっ」
ほぼ空っぽに近い量を飲み干したにのが、満面の笑みでそれを俺に押し付けた
「お前なぁ…殆ど残ってないじゃんか」
「まぁまぁ」
口では文句を言いつつも、その残りを口に入れて
内心では “にのと間接キスだ“ なんてにやけてる自分がそこにいる
おめでたい奴だと言われようと関係ない
にのは俺の気持ちになんか気付いてないから、昔と変わらないスキンシップを仕掛けてくるし
それを “ラッキー“ と甘んじて受けるくらい、可愛いもんじゃないか
だって実際には、手出しなんか出来ないんだから
「相葉さん、膝貸して」
「は?」
「眠いから」
組んでいた足を無理矢理降ろしたにのが、俺の膝に頭を乗せた
…ホントこいつは
無防備に目を閉じてるけど、俺の本心を知ったらどうするんだろ
言える訳ないけど
時たま無性に言いたくなる事がある
