
今日も明日も 2nd season
第20章 SS: すき
ただひとつ、気になると言えば
この膝枕は俺以外にした事がないと言う事
じゃれて抱きついたり、腕を組んだりなんかは誰とでもするけど
これはにのを観察して気が付いた事実
ふざけて大ちゃんが “俺の膝空いてんぞー“ って揶揄った時も
「寝心地悪いからヤダ」と一蹴してた
膝の上で目を閉じたにのの髪をそっと撫でてみれば
にのは嫌がる訳でもなく、それを受け入れて
むしろ気持ち良さそうな顔でされるがままになってるとか
ー…俺の気持ちも知らないで呑気なもんだよ
にのを起こさないように、そっと溜め息を吐いて
目の前の愛しいかたまりに視線を落とした
“好きだっつーの“
声にならない声を唇に乗せる
まるで子どもみたいだけど
これが今の俺の精一杯
「…知ってるよ」
目を閉じたままのにのがか細く呟いた
え?
何、今の
なんて言った?
「にの?」
撫でていた手を止めて、少し顔を近付けて見る
「相葉さん、マジ鈍感」
ぷい、とにのが身を捩り、身体を横に向けた
その耳が赤くなっている
ー…時間が止まった気が、した
End
