
今日も明日も 2nd season
第3章 Non.Title
後ろから抱き締められる格好はあまり好きじゃない
どうせするなら顔を見て、相葉さんを感じたい
もぞもぞと動いて向きを変えようとしたら
「ダメ。前向いて」
肩をしっかり掴まれて、再び元の体勢にもどされてしまった
「今日はさ、これもつけて」
ごそごそと探る気配
そしてその後に訪れる暗闇
「ちょ…っ」
アイマスクで視界を奪われたのだとすぐに理解した
「ねぇ、今お前に触れてるのは誰?」
「え…相葉さん、に決まってる……」
何を言い出すの
「俺の手は、分かるよね?」
“ちょっと待っててね“
いきなり背中の温もりが消えた
ここでマスクなんか外す事は出来たのに、相葉さんの意味の分からない行動に、そんな簡単な事を失念してしまっていた
カチャ、とドアの開く音がする
「相葉さん…?」
「誰の手か、分かるんだよね」
「え、…」
再びドアの閉まる音
室内には誰かがいる気配
「え、相葉さん、でしょ…?」
その誰か、は何も声を発しない
それどころか息遣いすら良く聞こえない
