
今日も明日も 2nd season
第19章 見えない鎖 part ⅩⅢ
「かずくん?」
ぽん、と頭に軽く手を置かれ
ハッとして顔を上げると
「泣きそうな顔してる」
そう言われて、慌てて両手で顔を抑えた
「また、不安になってる?」
これ以上、迷惑なんて掛けたくないのに
まーくんを巻き込みたくないのに
…この優しさに、手を伸ばしたくなってしまう
「だって……」
「あのね、迷惑だとか厄介だとか、そんな事は思ってないよ?」
言わなくても、まーくんには俺の考えてる事は分かってしまって
「俺が、こうするって決めたの。かずくんを守るって決めたんだから、かずくんは卑屈になるな」
「…はい」
だけど
そう返事はしても
まーくんは、お兄ちゃんの怖さを知らない
あんな簡単に、引き下がる人じゃない
お兄ちゃんは狙った敵は絶対に逃がさない
…まーくんを、犠牲になんてしたくないんだ
穏やかな時間が流れれば流れる程
“しあわせ“ だと感じれば感じる程
その失った時を考えるのが、怖い
