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今日も明日も 2nd season

第18章 君は君のままで


存在を確かめるかのような、触れるだけのキス

そのまま離れるのが惜しくて、にのの後ろ髪を押さえた俺が
離れようとする唇を塞ぎに掛かると

にのもまた、応えるように俺の首に手を回した


だけど深く交わる事はなく、ただ啄むキスを繰り返す

子どもじみたそれが今は心地好い



唇を離せば額を触れ合わせ、至近距離で見つめ合う



「相葉さんはさ、俺が必要でしょ?」

“ぶすくれても、イライラしてても、それがアナタの普通だって知ってる俺が“

そう言って口角を上げる

その顔は、自信に満ちていて
俺の返事なんて聞くまでもないって顔で


「…お前だって、俺が必要だろ」

だけどすぐに頷くのも癪だから、わざと同じ事を聞き返せば


「もちろん」

にのの方はあっさりと頷くとか
…駆け引きにもならない


「演じるのは大事だけどさ、自分の意思を抑え込み続けるといつか壊れるんだよ」

“だから俺が、それを出させる役割“


笑っているその瞳の奥に嘘はない

にのは、いつだって飄々としてるようで実は良く観察している



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