
今日も明日も 2nd season
第17章 君が笑うなら
駄目なものは駄目
出来ないものは出来ない
自らを犠牲にしてまで、会社に忠誠を誓う事もしない
その代わり、出来ると判断したものはとことんまで仕上げて行くから
会社からの信頼は厚いと思う
反対に俺は
小さな事も見逃せず、無理だと思うものも手を出さずにはいられなくて
“出来ない“ と言う事をプライドが許さないタイプで
智も俺の性格を分かっているから、余程じゃない限り口出しはしない
その代わりに、内助の功じゃないけど
影で支えてくれている
「でも、智のおかげで倒れずにいられる」
「大した事はしてないよ」
「いや、俺にしたら充分すぎだから」
“感謝してるんだよ“
包んだ手を持ち上げて、その手のひらにそっと口付けた
「…疲れておかしくなった?」
智がクスクス笑う
「ここ、照れるとこだから」
せっかく良いムードに持っていこうとしたのに “おかしい“ って酷くない?
「照れる意味が分かんない」
あっさりと返されて、諦めの溜め息を吐いた
「うん、まあそうだよね…」
“だろ?“ と尚も笑う智が小憎らしい
