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今日も明日も 2nd season

第17章 君が笑うなら


一度眠ったら、まず余程じゃなきゃ起きない智が、今起きただけでも珍しいのに

「翔ちゃん、キツくない?」

…俺の心配までしてくれるんだ


「まあ、キツくないって言ったら嘘になるね」

どうせ嘘言ったってすぐ見抜かれるから、正直に伝えた

だってホントに、限界に近かったし
とてもじゃないけど、この睡眠時間は足りなすぎる

とは言え、休むなんて到底無理な話だし

締め日まで後10日

頑張れば何とかなるとも思ってもいる


「ラストスパートだから、やるしかないよ」
俺の頬に触れてる智の手を上から包み、“大丈夫“ と笑ってみせた

それに

「…智んとこだって、同じだろ」

業務内容は似たようなものだ

うちの会社と同様に、今月は忙しい

「だけど翔ちゃんとは立場が違うから、はっきり言って俺は楽だよ」

智が少しだけ困ったように笑いながら首を傾げた


確かに
会社からの異動命令で転勤した自分と
自ら異動を申し出た智とでは、その意味合いも変わって来るだろう

言ってしまえば、智は性格上で見ても
俺みたいに完璧を目指すタイプでもない


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