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今日も明日も 2nd season

第14章 Candy Time


口を塞がれても、慌てる事はない

だって

「いるに決まってんだろ」
見なくても、分かるもん


「…、やっぱり?」
塞いでいる手を引き剥がし、振り向けば

「とーぜんです!」
ドヤ顔した翔ちゃんが悪戯っぽく笑っていた

「明日、珍しく皆休みだしね」
「で、お前がうちに来たって事は…」

「…そういう事」
ちょっとだけ唇を尖らせる

「相葉ちゃん、断れないからなぁ」
言わなくても察しがついたらしい

普段ボーッとしてるくせに、変なとこ鋭いんだなら

まあ、いちいち説明する手間は省けるけど


「帰って来ないって?」
向かい側の椅子に座った翔ちゃんが、酒の蓋を開けた

そして、トクトクと3つのグラスに注いでいく

変に気取らない、コップ酒がちょうどいい


「知らない。遅くなるっつーから、帰って来なくていいって返しといた」

カチン、と軽くグラスを合わせてからクイッと半分程飲む

喉に伝わる熱が堪らない


「カーッ、旨い!」
続け様に再び口に運んでコップの中身を空にした

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