
今日も明日も 2nd season
第13章 見えない鎖 part ⅩⅡ
「何言ってるか、分かってる…?」
「分かって、ます…」
「なら、遠慮しない。話は後で聞くから」
先に身体を離してゆっくり話すような余裕はもうない
俺はそんなに人間出来てない
言ってしまえば、かずくんを助けてからそう言った行為を全くしてなくて、溜まってたのもはっきり言えばある
こればかりは仕方ない、男の性だ
そんな時に誘われれば、我慢できる筈ないだろ
左手を後頭部に回し、髪を撫でる
かずくんは一瞬固まったけど
すぐに少し戸惑ったように瞳を閉じた
右手は頬に当てたまま、近かった距離が再びゼロになる
泣いてるからか、さっきより唇が熱い
唇の形をなぞるように自分のそれをずらし、1周したところで下唇を甘噛みした
ぴくん、とかずくんの肩が揺れる
それでも拒否する態度は見えなくて、かずくんが本当に受け入れようとしてる事が分かった
余すとこなく唇を甘く噛み、啄むキスを繰り返す
本当はもっと奥まで奪いたい
だけど今はまだ、それは早すぎる気がした
「…っふ、ぅ…」
啄むだけのキスに、かずくんが苦し気な顔をする
息を止めてるのが分かって、思わず笑ってしまった
