
今日も明日も 2nd season
第11章 3週回って恋に墜ちた
「なんで、ってこっちが聞きたいんだけど」
「だってまだ授業中…」
スマホを見れば、2時間目が始まったばかりの時間
「資料を取りに来たんだよ」
至極当たり前のように言うけど、俺だって知ってる
「しれっと言うなよ、嘘つき」
ここは先生以外は立ち入り禁止だ
……まあ、今は俺も人の事は言えないけど
「あ…、知ってるんだ」
“なら仕方ないか“ とにのは溜め息をついて、俺から少し離れた場所に腰を降ろした
微妙な距離で座り、会話なんかある筈もなく静まり返る教室
開いた窓の外から聞こえる鳥のさえずりだけが響き渡る
「まさか…サボり?」
静寂に耐え兼ねて切り出したのは、俺
「自主学習」
そっぽを向いたままボソッと呟いたにのは、どことなくバツの悪そうな顔をしていた
…んな訳ねぇだろ
「へー、風紀委員がサボりとはねー」
「だから自主学習!」
もしかして、にのの弱み握った?
ダメだ、顔が弛む
いつも俺をバカにしてるからだ
「…それをサボりって言うんだよ」
にのの傍に身体を移動させ
普段出さない、低い声を敢えて耳許で囁いた
