
今日も明日も 2nd season
第11章 3週回って恋に墜ちた
「で?…何ですか、仲良しって」
にのが、汚いものでも見るかのような視線を俺に向けた
「楽しそうに話してるから」
あの会話のどこに “楽しそう“ な要素が入ってると言うんだ
翔ちゃん先輩、耳悪いんじゃないの?
「ああ、楽しいですよ」
「ええっ?!」
まさかのにのの返事に、思わず声が裏返る
楽しい?何が?どこが?
「バカと話すと何気にストレス解消になりますから」
…なんか今、もの凄くバカにされてない?
「ああ!うん、分かる」
先輩もカラカラと笑ってるけど、二人して絶対バカにしてる
「論破して黙らせるのとか、堪らないよな」
翔ちゃん先輩のこの発言で、確定
「俺、もう行くから」
不機嫌になるのを隠しもせずに、先輩には一応会釈だけしてさっさと校舎に向かおうとして
「あ、手帳!」
ふいに、にのに呼び止められた
「は?遅刻してないけど?」
何きょとんとした顔してんだよ
「何で手帳いるんだよ」
「あ、そっか」
謝るわけでもなく “条件反射だ“ ってそっぽを向くとか
ホント謝るって事をしない奴だよ
