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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第12章 花の命・・・

『ハァっ…ハァっ…ハァっ』



身支度も整えずに

チャリにまたがって

ひたすら進む






『ハァっ…ハァ…っ・・・??!』



キキィっ・・・




オレは視界に入った路面の花屋の前で

急ブレーキをかけて停まった






「いらっしゃいませ~」



今年は野菜が少ないとか高いとか

そんな事をあちこちで言ってたっけ…



そんな気候を思わせるような

なんともボリューム感の乏しい店の中



オレは店員に真っ直ぐに歩みよって

おもむろに注文をする





『ひまわり・・・… … …ありますか』






「ぁ、~はい……ございますよ~♪」







『999本・・・・・・』








『・・・は?』



前置きも何もなく
オレのつけた注文に

愛想よく笑っていた店員が
目を点にして真顔になる



当然…どこをみても
そんな数の花が…あるようには見えない






『・・・108本は・・・』






『~~~』






『・・・99本』






「あ、のぉ・・・お客様?」




奇怪げに眉を動かして
からかってるのか?とでも言うように
店員は不審そうにオレをみる





「大量注文でしたら、、、

お急ぎでなければ、お日にちを…~

もしくは…造花屋さんにお願いされると

良いかと思いますが~…」








『何本・・・なら』






「え?」






『あるだけでいいです・・・

あるだけ・・・・・・全部』







うなずいて小走りに奥に姿を消して

戻って来た店員から渡されたのは

11本の・・・ひまわりの花束だった

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