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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第6章 夢をみる・・・

『カンナ・・・!』




珍しく駆け足で

珍しく息切らして



カンナと待ち合わせた

図書館に向かうオレは





珍しく・・・少し

ワクワクしていた







珍しく・・・いや



初めて、ってくらい






カンナに


知らせたい事があったんだ









『えっ・・・ケイゴ、ほんとっ??』








『あぁ・・・、店長に相談したら

本社に話してくれるって・・・!』







『え、じゃぁ・・・就職決まるの?!』






『うまく行けばな♪』





バイト先の店長に

少し前から就職の事を相談していて

その話が段々と現実味を帯びてきていた





学校の進路相談に行くより

好きでもない

得意でもない

オベンキョウを重ねるより

オレにとっては最高の近道





オレなりに考えた

進路だった







『すごい!ケイゴ良かったね!

すごいね・・・!』





カンナはめちゃめちゃ喜んで

拍手してくれた







『これで来年は安泰だぜ♪』






『・・・とかってケイゴ

浮かれて遊びほうけたり

学校で問題起こしたりしちゃ

ダメだょ?・・・絶対に』





反面

カンナは心配げに忠告する






『~~ば、ばか

オレはそこまでマヌケでも

問題児でもないっつーの・・・(苦笑)』





とか言いつつ



大なり小なり

身に覚えのあったオレは



心の中で

ひっそりと



身を引き締めた








来年、カンナが受験を終えれば



ひとつ

お互いの道が開ける



ひとつ

未来が見える





そんな風に

希望を抱いたり

楽しい夢を見て




沢山笑って過ごした夏休みだった

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