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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第6章 夢をみる・・・

夏休み最後の週は


カンナと地元の祭りに行こうと

約束していた


規模も小さくて

どこか・・・素朴な祭だから


なんとなく

ふたりきりで


夏の終わりを感じたかった

・・・ってとこかな







『こんにちは』



『あら、ケイゴくんいらっしゃい

ちょっと待ってね♪……カンナ~?』




カンナの家に直接迎えに行くと

カンナに代わってお母さんが顔を出す






珍しく、時間に遅れるなんて

おそらくは・・・と思ってると




『ごめん、お待たせ……!』






バタバタ、っと足音がして

浴衣姿のカンナが

ひょこっと顔を出した





カンナなりに

この夏は何かとおめかしして

夏を楽しんでる(笑)





『二人とも気をつけて

あんまり遅くならないようにね♪』




『うん♪!わかってる』



『それじゃ、おばさん行ってきます』




『いってらっしゃい♪』









お母さんに見送られて家を後にすると

オレはカンナを手招きした






『え・・・ケイゴ、自転車なの???』



『あぁ』






『・・・』





カンナは浴衣姿の自分の足元を見て

少し残念そうにする






『バカ・・・乗れよ(笑)』



オレはチャリに股がって

後ろを指す




『で・・・でも』





『スッ転ぶほどスピード出さないし

安心しろよ♪』





『そ、そうじゃなくて』






『ったく・・・

怒られたらやめればいいだろ♪

くそ真面目に移動で歩き疲れたら

足痛くなって祭楽しめなくなるぞ♪』




オレはアゴをしゃくりあげて

カンナの下駄を指した





『ぅ・・・うんっ・・・ぁりがと』





意味を理解したカンナは

少し恥ずかしそうに頬を赤くして

そろりとチャリの後ろに乗った






『ちゃんと掴まってろよ?』



横向きに乗ってるカンナに

しつこく言ってオレはペダルを漕ぐ




『うんっ・・・♪』




カンナの手に力が入って

頬をオレの背中につけたのが

伝わってくる




『よし!いくぞ♪』

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