
光の道
第14章 いやだ、死にたくない
『佐藤くん!』
佐藤くんの顔も、苦痛に歪んでいた。
それもそのはずだった。
佐藤くんが登りはじめて何分がたつか…。
佐藤くんの手も限界に達していたのだ
「…っ。」
芦田七海が片手を離した
二人ともキツそうな顔をしていた。
自分は何もできないんだろうか…
ただ立ってるだけの自分が腹立たしかった
「もう無理だよぉ…っ!」
芦田七海は片手だけで支えている
『芦田さん!』
そのとき、佐藤くんも片手を離した。
そして、離した片手で芦田七海の体に回し、芦田七海の体を支えた。
「…?」
『佐藤くん?!』
