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同窓会 SN

第78章 桜8 翔



しばらくすると部屋に食事が運ばれてきた。

楽しみにしていたことの一つだから、一口食べるごとに旨い旨い、と声に出し、食事に舌鼓を打ってしまう。

だけど 和也も 昼間あんなに食べた割には 食が進んでいる様子

メヒカリの天ぷらを口にしながら 俺に聞いてくる


「もう、ここでこんなに魚介類が捕れるの?」
「小名浜では まだ一部しか水揚げは再開されてないから、これはよそから仕入れたものじゃないかな。だけどせっかく福島に来てくれたんだからと、客を饗す気持ちが嬉しいだろう?」

「うん、旅館の人たちも水族館のスタッフも、観光に携わる人みんながすごく頑張ってるのを感じる」
「観光だけじゃないぞ。今日行った会社の人たちも、鰻屋の主人も、みんなが復興に向けて明るく頑張ってる。俺は東北に来るたびにパワーをもらえる気がするんだ。」

「そうだな、俺も頑張ろう、って気にさせられるな」
「そうだろう」



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