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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第29章 果たされぬ・・・約束

これ以上、関わるな…


第一コイツはまだ未成年
それだけでもシャレになんねぇ


わかっていて
面倒事に巻き込まれるようなことをするな





なのにさ…







『お前…帰るってさ

ソイツんトコに帰るのか?』





『あったりまえじゃん

エリカの好きな…彼氏だもん

今は…ちょっとケンカしただけ』







『エリカは…好きでもさ、ムコウは?』







『は……?』








『エリカの事…本当に大事にしてくれるか?』








『・・・当たり前…じゃん
エリカの事…一番好きだ、って

エリカの事を愛してるって
エリカと絶対に結婚するって

いつも言ってるもん』







『そんな大事なエリカを

叩くのか?…ソイツは』







『べつに……だって、それは
エリカが悪い事だってあるし

それに…それにねっ
エリカのためを思ってるから
エリカが…まだ子どもだから…って

エリカの事が大事だから
本当は叩きたくないけど、って
後でちゃんと謝ってくるんだから』






『・・・』





聞けば聞くほどさ…俺


なんでかな・・・知らねぇけど




いや、正義感なんかないぜ?

言うほど人が良いワケでもねぇよ

それほど…暇なワケでもねぇ





同情?正義感?義務感?使命感?



さぁな、そのどれでもねぇよ



俺にもわかんねぇ




もしくは、それは・・・〃誰か〃に対する

〃贖罪〃のような想いなのか




俺にも・・・わかんねぇ






だけど…ただ感じて

ただ…思ったんだ






〃俺…コイツに言うべきことがある〃





目の前の…一見、奔放で

クソ生意気で

まだ…あどけない少女を見て

俺…なんか思ってた





〃俺は…コイツに伝えるべきことがある〃






なんでかな・・・


何が俺に・・・そう思わせるんだか







〃俺…やるべきことがある〃

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